仕事を知る!

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エピソード

突然お手紙を差し上げますこと、ご無礼とは存じますものの、この度貴社へ依頼させていただきました中で、大変感激いたしましたことがございましたので、ペンを執らせていただきます。

過日母が亡くなり、実家の家財等の整理をベンリーにお願いいたしました。

いつかはと覚悟はしておりましたものの、父母や妹と楽しく長く暮らしました思い出の家、全てを処分するとなりますと、それは胸が潰れ心が折れてしまうような思いがいたします。

事前の打ち合わせの段階から担当いただきました担当者様は、じっと耳を傾け細々と大変丁寧な御対応をしてくださいました。

家具の中には作られてから90年にもなりますでしょうか、古い学習机がございました。父が学生の時から使い続けたものは、私が受け継ぎ小学入学から大学まで長い長い時間を共に過ごした思い出深い机でした。

そのような思いをふと口にした私の言葉をしっかり聞き取り覚えていてくださったのでしょうか、先日、突然ご訪問くださり「プレゼントです」と、包みを渡されました。

ご許可をいただき、その場で中を拝見いたしますと、件の机と椅子のミニチュアが出てまいりました。

処分前に実物から取っておいた材料をそのまま使い、専門の工芸家にオーダーメイドを依頼し、制作してくださった物でした。無くなってしまったとばかり思っておりました懐かしい机と椅子が、私の掌の上にあり驚きました。

大勢の依頼人の中の一人に過ぎない私のために、これほどまでに御心を砕いてくださる、口にする以上の思いをくみ取って心に寄り添おうとしてくださる、この度のことで、私は本当に大きな慰めと喜びをいただきました。

御社には、ただ依頼された仕事を完遂するだけでなく、それ以上のことをしてくださる方がいらっしゃいますことを是非知っていただきたく、この手紙をしたためました。

御多忙の中、お目を通してくださりありがとうございました。

貴社の益々の御発展を心よりお祈り申し上げます。

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